現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE

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 ク ラ ス : 薬師如来十二神将
 真   言 : オン アンチラ ソワカ
 種   子 : sa
 三昧耶形: 宝弓・宝箭
 御 利 益 :薬師如来を信奉する衆生を障碍より見守る程度のご利益

 仏界は東方に在する薬師瑠璃光浄土の南西に住す。
 薬師三尊を信奉し、薬師経を唱うる衆生を守護する薬師十二神将のうちの一神。

 善化の際に聖観音と契約を結び、観音にとっては人間の召喚修法なしで現界するための依り代となり、また安底羅大将にとっては観音より恒久的な護法力供給を受ける相互依存の関係にある。

 安底羅衆は多くの族衆から成り、肌や髪の色などの身体的特徴、またその生活様式は多岐に渡る。ここでは猴族である褐色の肌に淡紅の髪の安底羅大将が描かれている。左臂にて宝弓を構え、右手にて宝箭をつがう。

 内在能力として、15時から17時まで、また旧暦7月の間は、あらゆる能力が3倍になるという特性を有する。安底羅衆には「猴拳(こうけん)」「通臂拳(つうひけん)」と呼ばれる固有体術が存在する。
 気性は荒いが知略的であり、また非常に勇敢な神衆であるため、煩悩に迷い、障碍に苦しむ衆生の面倒見も良い。帰敬した衆生への慈悲心は相当に深いが、反面、相応の功徳を求めたり、裏切りを許さない過剰な信賞必罰の傾向がある※1

 供物には果物を好むが、来るもの拒まず何でも食べる。
 安底羅の平均寿命は1500年ほどであるが、大将となるものは2700年を生きるものもいる。伝説の三神猿に至っては4000年を生きたとされる。
 軍団編成は少数精鋭である場合が多く、7000の眷族は10~50、最大でも200の単位で構成される。
 十二神将の中では戦闘斥候を主任務として担う。機動力、即応力に優れた神衆ゆえに、事実上、武装偵察部隊(Force Recon フォース・リーコン)として威力偵察を行うことが多い。また、海兵隊的機能を有して水上任務にあたることもある。

 珊底羅衆とは仲が良く、行動を共にすることが多い。このことより、古くから馬小屋に安底羅大将の像が祀られてきた。現代でも厩舎に安底羅大将の真言を記したお札を貼る習慣が見られる。
 歴代の安底羅大将の中では伝説の存在である「貜父(かくふ)」エイプ、「夜陰の猩将(しょうじょう)」プロシミアン、「狒妃(ひひ)」ゲラダが知られる。また、安底羅六彝※2 として、「黄金の蜼后(いこう)」ロクセラーナ、「長臂の猱蝯(どうえん)」ギボン、「老猴王(ろうこうおう)」マカク、「狨王(ろんおう)」サビダエ、「猓然王(かぜんおう)」ハヌマンラングール※3、「禺王(ぎょうおう)」マンドリルが挙げられ

 ※1 インドの叙事詩『ラーマーヤナ』には「愉快で、子供っぽく、適度に腹立たしく、欲しがりで、とても活発で、冒険好き、無愛想に正直、忠実で、勇敢にして親切である」と記されている
 ※2 六彝:「ろくい」と読む。彝とは「衆生の行うべき道理」を守るものを意味する。本来は八彝であったとされるが、「狙公(そこう)」、「獨王(どくおう)」の詳細が失われており、現在では六彝となっている。
 ※3 「ハヌマンラングール」というのは猓然王の総称であり、実際にハヌマーン王、スグリーヴァ王、ヴァーリン王、アンガダ王、いずれを指すのかは判然としない。

(尊像出典:『薬師瑠璃光如来本願功徳経』)