現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE

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 梵   名 : ハヤグリーヴァ [Hayagrīva हयग्रीव]
 ク ラ ス : 八大明王
 真   言 : オン アミリト ドハンバ ウン ハッタ ソワカ
 種   子 : haM
 三昧耶形: 金剛斧"リサナウト" 金剛珠"アクシャ・マーラー" 金剛笛"フィンファーゼッフ(甘美な音するもの)" 三鈷杵"カルンウェナン" 金剛鈴"ボエネ"
 御 利 益 : 病毒に冒されない程度のご利益・怪我に見舞われない程度のご利益(以上人畜共通)、能力の開花に恵まれる程度のご利益、
       良い畜獣に恵まれる絶対的ご利益、足が速くなる程度のご利益

 八大明王の一尊。いずれの仏界にも属さない、摩利支天とともに大日如来の戦車を駆る陽力菩提明王身。あらゆる神仏の功徳を有し、恐れを知らず、疲れを知らず、退くを知らず、偉大にして獰猛なる最高尊の戦馬。
 一観音面二馬頭、各三眼(うち一眼は偽眼にて秘眼化、右眼は月桂眼、左眼は日章眼のオッドアイである)、八臂にして穏態忿怒形、本臂は胸前で馬の頭部を表した虚心合掌もしくは蓮華合掌による馬頭印を結ぶ。右側第二臂にて金剛斧を掲げ、第三臂にて数珠を繰り、第四臂は空手にて自在応変の形を表す。左側第二臂は金剛笛を、第三臂は三鈷杵を、第四臂は金剛鈴を持つ。頭上に双角馬頭冠を戴き、浮揚立位を取る。
 サンスクリットの"हयग्रीव hayagrīva"は「馬のたてがみを戴くもの」を意味する。すなわち馬の鬣とは王たる象徴の冠を表す比喩である。厳密には馬頭観音とは異なる。 「戒律の守護者」、 「畏怖すべき、裁きの執行者」、 「天空の赤馬」などの異名を持つ。
 馬頭明王は、大元帥明王が無比力夜叉から菩提得心によって明王化したように、観音菩薩の勧請によって大持力夜叉が明王化したものである。
 ただし、馬頭観音との類似点は多く、馬頭明王も馬の持つ力強さに明王の破邪封滅の威徳を仮託したものであり、病疫、天災、争乱など、人身に仇名す一切の障碍を毀壊するといわれる。
 また、馬頭観音との混同により、争乱時の慣習から狭義の戦馬、やがて広義の家畜の守護尊としても祀られる。
 近年では、競技馬の武運健勝を祈願する向きも多く、転じて競馬における勝ち馬祈願をする者も増えている。

(尊像出典:『『馬頭念誦儀軌』)