現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE

走り不動明王とは

正しくは「大聖忿怒大威動不動尊」という。鎌倉期、元の侵攻(元寇)に脅かされた日本は、本来であれば動かないはずの不動明王を彼らの救済のためにその心を動かしめ、いわゆる「走り不動」として召喚に成功したのである。
日本での不動尊信仰の起こりは平安時代初期、平将門が挙兵したときにあり、なかなか鎮圧できない平将門に手を焼いた朝廷は、京都の高雄山神護寺護摩堂から不動尊像を密使・寛朝僧正によって成田の地に運ばせ、そこで調伏の法を行なわせた。そして、その地に現在の成田山新勝寺を建立し本尊として納めたことにより、「将門を調伏せしめた」不動明王という存在が世に知られるきっかけとなった。さらにのちの元冦時、全国各地で不動明王を本尊とする元敵退散の修法が行われたわけだが、このとき多くの民衆が不動明王の現界と元寇への折伏を目の当たりにする。そして、これら民衆によって不動明王への信仰が浸透して行くのであった。このときの不動明王の姿は『不動明王ソリッド』という縁起の中で描かれている。ここでは主に活躍した三不動尊を紹介する。