現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE

Aym_yamaraja.jpg

 梵   名 : ヤマ・ラージャ [Yamarāja यमराज]
 ク ラ ス : 天寓獄処二量尊
 真   言 : オン エンマヤ ソワカ
 種   子 : ha
 三昧耶形:焔摩檀拏幢
 御 利 益 :悪意ある疑罔に見舞われない程度のご利益、子を授かる程度のご利益、死後に情状酌量を得られるかもしれない程度の相対的御利益

 中陰審理のうち、57日を司る地獄の王。十王のうちの第五王。前四王(初七日の秦広王、 二七日の初江王、三七日の宋帝王、四七日の五官王)の審理を受け、死者を六道のうち、いずれに転生させるかを決定するのが役目。

 発生佛理学的には、焔摩天の霊意的同位体と考えられている。両者は、吉祥天・黒闇天と同様の位相応現尊とする説もあるが、閻魔王が焔摩天を"姉"として恋慕する様相からすれば、同位雙王説、すなわち姉たる光明天界の焔摩天、妹たる暗黒地界の閻魔王、姉妹一対で二人並びたる運命、死、冥界を司る王とする説が有力である。
 御真影のパターン(三昧耶形配置構造)や印契などは、焔摩天、閻魔王両者極めて酷似しており、その同位性はより高次のものと考えられる。
 ただし、基本的な外観には一定の異相があるため、佛理法則的に完全な同位体とは考えにくい。

 閻魔王は「雙世の報」というものを持つが、これは彼女が神でありながら常に苦楽二つの報いを受けることを意味し、"苦楽"とはすなわち姉・焔摩天との邂逅別離のことであり、人間にとっては誕生と死別がこれに該当する。

 肌石膏色、髪鉄紺より露草を経て天色に至り、勿忘草に輝く。容貌童顔、一面二臂二触臂。右臂は掌を仰げ、左臂にて夜摩天楼を模した檀拏幢を持つ。光背にある「浄玻璃の鏡」にて死者が生前に働いた善悪の行為を映し出し、檀拏幢にある鬼頭両対の府君眼(白眼)、闇天眼(灼眼)にて生前の行いを記録する。嘘をつく死者は蛸の触腕のような義臂で鞭打ったり、縛りつけて吐かす。ただ、近年ではヌメヌメした感触が気持ちいいと死者の間で評判となり、逆に嘘をつく死者が増えていて困っている。1月16日と7月16日のみは、閻魔王が休務される日であり、この日は日がな一日、地獄の底より夜摩天のある天界を見上げ、離れた姉に想いを寄せている。

 好きなものはこんにゃく。おでん、田楽、こんにゃくであればなんでも好きだが、最近は特にいり煮にはまっている。
 就寝時には骸骨人形トゥルダクを抱いて寝るのがお気に入り。
 三頭(あるいは牛頭)四眼蛇斑紋の獣、サーラメーヤ※1を飼う。常に閻魔王の傍らに寝そべり、地獄より逃げ出そうとする死者を捕らえて貪り食らうといわれる。
 極度のシスコン。天界に棲む姉・焔摩天をこよなく愛し、恋い慕う。いつか自らが天に召される日が来て、姉に逢えると信じ、日々、地獄の亡者を裁くことに励む。
 日本仏教においては地蔵菩薩のコスプレと疑われている。
 賽ノ河原のリトル・リーグでは、"HELL BOYS(ヘルボーイズ)"の監督を務める。打倒法界王の"Fürst Cerberus(フュルストサーベラス)"。ここ一万二千年ほどはフュルストサーベラスのリーグ優勝が続いている。

 一介のエテ公に過ぎなかった闘勝戦如来※2 とは旧知の仲であり、地獄での大乱闘は今でも獄卒の間で語り草となっている。

 ※1 その唾液の主成分は強毒性の神経毒であるジテルペン系アルカロイドのアコニチンで、他にメサコニチン、アコニン、ヒバコニチン、低毒性成分のアチシンの他ソンゴリンなどを含む。
 仏教音楽と甘いものが好き。甘いものは、特に蜂蜜と芥子の粉を練った焼菓子を好み、おあずけを食うと溜まりのようなよだれを垂らすため、地獄の獄卒が知らずに毒で昏倒する場合がある。

 ※2 神仙であったころの斉天大聖孫悟空(ハヌマーン)

(尊像出典:『地蔵菩薩発心因縁十王経』)