現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE


七倶胝仏母

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尊像

尊像在所

* 準提観音菩薩坐像 - 醍醐寺 下醍醐観音堂(京都府):毎年5/18中日1週間 准胝観世音菩薩ご開扉法要
* 准胝観音菩薩立像 - 大報恩寺(京都府):六観音像の一

儀軌

仏階概観

 ク ラ ス : 東密六観音
 真  名 : サプタコーティブッダ・マートリカー(Saptakothībuddha=Mātrīkā सप्तकोटिबुद्धमातृ)
 真   言 : ノウマクサッタナン サンミャクサンボダクチナン タニャタ オン シャレイ シュレイ ソンデイ ソワカ
 種   子 : bu
 三昧耶形: 七倶宝珠、金剛冠
       本臂両手 説法印
       右側臂 金剛杵 大法螺 妙蓮華 般若篋 智慧剣 金剛鈎 如意瓶 説法印
       左側臂 妙寶鑓 施無畏印 摩尼珠 灌頂瓶 八輻輪 妙寶鬘 天妙果 金剛索
 御 利 益 :義浄応報(高潔であるための義務を果たすならば、いかなるときも加護を得られるノブレス・オブリージュ)、王賢授児(恵まれた身体・頭脳を持って生まれ出ずる子を授かる程度のジェネティック・エンチャンスメント)

尊能諸元

 六観音中、至高にして全能、原初なる尊格。 六尊にありて菩王、六尊にあらずして仏母。不空羂索観音とは双子の姉妹であり、六観音の一尊に不空羂索観音ではなく、准胝観音が数えられる場合があるのはこのことに由来する。
 仏界は霊山浄土に寓す。煩悩界六道は第二道、人間道を摂化する。

 六観音請来以前の尊名である「七倶胝仏母」の「七倶胝」とは無量無限大のことであり、「過去世界において数多の諸仏を覚生させしもの」、あらゆる仏の生みの親を意味し、あらゆる仏を仏たらしめた仏の根源たる存在である。また、観音請来以後の「准胝観音」に見られる「准胝」とは光り輝く浄化の炎(「炎の柱」として形容される)のことであり、太陽よりも燦然と輝く光輝の柱で以て、煩悩生死の世界の衆生を善法に導くとされる。ただし、本地的に絶対的王性を持つため、帰敬者にも高潔さが求められる。七倶胝仏母に遵う者は、福徳、権能、地位堅護の加護を授かる代わりに、自らの高潔さを示さねばならない。これを破る者には加護に倍する四大罰(総罰、別罰、冥罰、顕罰)が下されるといわれる。

 また、安産や子授けの功徳があり、生まれた子はすぐれた者になるとされている。
 真言宗醍醐派の開祖である聖宝尊師の准胝修法により、朱雀天皇や村上天皇が授かったといわれる。
 両天皇の母、中宮藤原穏子が懐妊の折り、枕元に准胝観音がお立ちになり、朱雀天皇のときは睥睨微笑とともに一瞥しただけだが、村上天皇のときは妙寶幡をその腹の上に翳したとされる。これが何を意味するのかは数々の解釈を生んでいる。

 肌白桃色にして容貌微笑(みしょう)顔、一面三眼十八臂。
 『准胝十八大願』の持物は妙寶鑓を除き、全て印契にて表わされている。すなわち、本臂両手にて胸前で説法印を結び、右側第二臂にて金剛杵を、右側第三臂にて大法螺を、右側第四臂にて妙蓮華を、右側第五臂にて般若篋を、右側第六臂にて智慧剣を、右側第七臂にて金剛鈎を、右側第八臂にて如意瓶を印相し、右側第九臂にて説法印を結ぶ。
 左側第二臂にて妙寶鑓(幢)を掲げ、左側第三臂にて施無畏印を結び、左側第四臂にて摩尼珠を、左側第五臂にて灌頂瓶を、左側第六臂にて八輻輪を、左側第七臂にて妙寶鬘を、左側第八臂にて天妙果を持ち、左側第九臂にて金剛索を提げ持つ。
 五智冠を戴き、シルクのストラ(巻衣)を纏い、紅蓮華と黄金で作られたパルラを被る。また、腰にはキンブルムと呼ばれる黄金の帯を、腕には黄金あるいは白金の臂釧・腕釧を、胸元は七宝の瓔珞を以って荘厳する。

 印形は両手説法印にて釈迦如来の荘厳国土をフィールド化(幻化網壁の構築による国土の具現化)し、右側第九臂説法印、左側第三臂施無畏印にて仮想回廊(国土への入り口のようなもの)を現出せしめる。
 元来の仏母としての姿は世界の広さにも等しい巨大さであり、七十二臂と「七倶胝」の仏眼(一説で36万5000の眼)を持つとされ、その荘厳な姿と相まって「メタトロニア(玉座に侍るもの)」と尊称され、帰敬される。
 元来からして女尊とする説が有力である。

(所依経典:『七倶胝仏母准提大明陀羅尼経』)