現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE


सहस्रभुजआर्यावलोकितेश्वर

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尊像

尊像在所

* 千手観音菩薩立像 - 東大寺ミュージアム(奈良県):重要文化財
* 千手観音菩薩立像 - 興福寺国宝館(奈良県):国宝

儀軌

仏階概観

 梵   名 : サハスラブジャ・アーリア・アヴァローキテーシュヴァラ [sahasrabhuja ārya avalokitezvara]
 ク ラ ス : マツノヲの千手
 真   言 : アーリヤ サハスラブジャ サハスラニトリ ヴァルキテスヴァラヤ ボディサトバヤ
 種   子 : hriiH
 三昧耶形:開敷蓮華、蓮華上宝珠
 印   契 : 自在天印(両手を胸・腹前にて外縛し、二小指二頭指二大指をまっすぐ立てた印) 施無畏印(手を仰げて手のひらを前に向けた印)
       五色光印(五指を舒べて手のひらを前に向けた印)遮文荼印(しゃもんだ、手のひらを仰げて髑髏を持つが如く)
       金剛随心(手のひらを仰げて五指を微かに屈した印) 蘘麌利根本印(じょうぐり、手のひらを仰げて物を掬うが如く)
 御 利 益 :あらゆる物事を否応なく進められる程度のご利益、あらゆる障碍を消滅破砕する程度のご利益
      閃き冴えわたるプロトンビーム、絶対的国運隆昌・国体安穏

尊能諸元

 養老2年(718)、天武天皇の第六天魔皇子・舎人親王が、護国の願をかけて仏界より召喚、松尾山に安置した巨大観世音菩薩体といわれる。※1
 十二大手九百八十九小手(マニピュレーター)を持ち、千眼(センサーユニット)を頭部肩部胸部背部各所に持つ。胸前にて自在天印を結ぶ。立位を取る。
 千ある慈悲の眼で衆生の苦楽を看破し、千の手で、あらゆる敵を殲滅するとされる。千手千眼観音は、聖観音態が大自在天の霊力「千手(あらゆる破壊と再生をもたらす能力)」と、帝釈天の霊力「千眼(すべてを見通す能力)」を司った菩薩体である。
 観音の王たる意味である「蓮華王」とも称される。
 700年前、日本に侵攻してきた異国の軍を壊滅させた「弘安の役」で、九州北部を焼き払ったといわれる。現在では松尾寺に「トルソー」と呼ばれる焼損した像として残されており、「弘安の役」の後、本堂裏の土中深く封印されていたものと考えられている。白洲正子を母親と認識し、彼女から「トルソー」の名を授けられ、現在でも多くの人々を済度するため慈光を放つと尊崇されている。
 人間を手の平に乗せることができるほどの巨大な体躯を持ち、体表面には一部皮膚がなく、人体模型のように筋組織が露出している部分がある。肩部や背部からは千の秘臂が突出しており、飛行時には伸張して輪状、もしくは翼状に発光する。頭頂部にある大威徳金剛のような頭部には三つの眼球があり、口腔部には牙が生えている。骨格に相当する部分は超高張力剛※2で、縁起では、内部に入るためのハッチや計器類と思われる遺構の存在が描写されている部分があり、また、縁起絵には表面が装甲のような外郭で覆われた表現や、光る杖、もしくは槍のような物を手にしている姿が描かれたものも見られる。

※1 現在では、毘紐天の十番目にして最後の応現身(アヴァターラ)「カルキ」を天竺より請来したのではないかと推察されている。
カルキ(Kalki, कल्कि)は、「穢土を殲滅せしもの」を意味し、末世に現われ、全てを破壊し、新たな世界を築くといわれる。

※2 超高張力剛(ちょうこうちょうりょくこう、Hyper Tensile Strength Vajra; HTSV)は金剛成分の添加、組織の制御などを行って、一般造仏用剛材よりも強度を向上させた剛材。一般剛材を用いる場合に比べて薄肉化できるため、剛組(フレーム)などの主要造仏部材の軽量化に貢献している。
金剛工廠のシミュレーション結果では、比強度が一般剛材よりも大きいため、ブラフミウム剛単体よりも軽量化が可能であり、さらに消費菩提力も低いことから、ここ2億6千万年ほどの間で、梵体のHTSV化率が急速に伸びている。ヴィシュヌをはじめ、シヴァ、ブラフマ、パールヴァティ、サラスヴァティなど、10数種類の印度神素の配分を0.0001%単位で制御する修法は門外不出である。

(尊像出典:『松尾山縁起(天平古記録)』)