現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE

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尊像

尊像在所

* 白衣観音坐画像 - 泉涌寺 仏殿(京都府):堂裏にある壁面に描かれる。狩野探幽筆。

儀軌

仏階概観

 梵   名 : パーンダラヴァーシニー [Pāndara vāsinī]
 ク ラ ス : 観音菩薩普門三十三示現
 真   言 : オン シベイテイ シベイテイ ハンダラ バシニ ソワカ
 種   子 : pa
 三昧耶形: 蓮華
 印   契 : 与願印
 御 利 益 :すべての願望を肯定し、すべての悪報を障碍する絶対的ご利益、希望する胎児の性別を叶える程度のご利益 息災除病、子受け、安産

尊能諸元

 観音菩薩が顕現する際、三十三種ある御姿の一つ※1。諸仏諸天に変現する応現身とは異なるため、御姿自体は観音菩薩そのものの容貌を取る。
 古くはインドで、多くは南北朝期以降の中国で、帰敬者が各々、自らの理想とする観音菩薩を妄想していった廚二病により、多くの観音菩薩が生まれたとされる。基礎となる「観音菩薩」、儀軌にとらわれず、観音菩薩への愛着を形にした「カンノンLOVE」、観音菩薩像を使った情景制作「ライゴウ」、年若い衆生の帰敬を受付ける「チゴ」、「BD」※2の5写仏が存在する
 無数に存在する観音菩薩のバリエーションではあったが、1783年、土佐秀信(日本)により三十三種の御姿としてまとめられた(『仏像図彙(ぶつぞうずい)』に所収)。

 梵名は「白き処に住し、白き衣をまとうもの」を意味し、仏の境界より出ずる浄菩提心の具現体でもある
 肌白桃色にして容貌慈母艶顔、一面二臂、白衣をまとう。右臂にて与願印を結び、左臂にて蓮華(未開敷蓮華・開敷蓮華いずれか)を揚上す。紅蓮華に坐す。紅蓮華台開敷後、落弁の後は緑蓮華に立上す。

 仏界は西方浄土、如幻金剛三昧の白処(びゃくしょ)に住す。阿弥陀如来の明妃とされる。
 白衣母尊とも呼ばれ、諸観音の相談役を担う。いつの時代も誰にとっても母はエロい偉大なる存在。
 胎蔵蓮華部院(観音院)においては阿弥陀如来の諸法を輔弼する院主でもある。

 白衣観音の慈悲心は、衆生の悲仰(ひごう)すなわち願求(かんきゅう)する心と表裏一体であるがゆえに、白衣観音に帰敬するのは、観音菩薩の慈悲心と合一することであり、鏡に映るがごとく、影に映すがごとく、白衣観音の慈悲心に衆生の心は融通するとされる。
 また、その祈りは、白衣観音が住する白処と同じく清浄の心より生まれいずるゆえ、必ず福徳が授かるといわれる。

 ※1 土佐秀信によりまとめられはしたが、元ある観音像の数から推知しても、厳密には各御姿にはさらに細かなバージョン違いが残っている。
 ※2 BD=Buddhism Deformationの略。

(所依経典:『高王白衣観音経』)