現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE

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儀軌

仏階概観

 梵   名 : マハーカーリー [Mahākālī महाकाली] 摩訶迦哩
 ク ラ ス : 大自在天女応現
 真   言 : オン マカキャリヤ ソワカ
 種   子 :ma
 三昧耶形: 宝槌、金剛刀、如意宝袋
 御 利 益 :あらゆる祈念に通ずるが裏切りは僕の名前を知っている絶対的ご利益

尊能諸元

 大自在天を喰らいしものの額より生まれいずる。大自在天が持つ福徳豊饒の神としての神質が大黒天より分化したもの。
 穏健的性質を持つ純粋な福徳神質が乖離した状態であり、かつ「大黒天女」という別神格として授記されたことにより、大黒天自身の堕凶が危ぶまれたが、むしろ暴神としての神質は抑えられていると観測されている。
 これを俗に「女房の尻に敷かれている」という。

 一方、穏健的性質を持つ純粋な福徳神質の具現体であるはずの大黒天女であるが、その名のサンスクリットが表わすように、激情を秘めていることが分かっている。
 その激情は、多く大黒天の危難を救うという場面で発揮されるが、反面、嫉妬深さに由来し、大黒天に他の何ものも寄せつけさせないという過剰反応が見受けられる。
 何があったのか、実際に大黒天女によって、宝帯で後ろ手に縛られ、三角木馬ならぬピラミッド状に積まれた俵の上に拘束されている大黒天を目撃したという報告が頻回になされている。
 鋭利な三角の木馬でなく、丸い俵に乗せるところは大黒天女の福徳神としての慈悲であろうか。

 白面三眼、肌薄桜にして髪射干玉(ぬばたま)、三眼は赫灼(かくしゃく)に円転す。大黒天とは対極的な容貌を持つ。如意宝袋を以て光背と成す。
 好きなものは米。
 大黒天とともに、奢摩奢那(シャマシャナ)の森は毘財涅槃塚(ビルスキルニル)に住す。

 大黒天の多くの優れた財宝は大黒天女によって取り上げられ、それらは天女の宝袋に納められているとされる。
 したがって、大黒天女出現以降の大黒天が持つことを許された神宝は宝鎚、宝帯、金剛手のみとなり、それ以外のものは天女の許可がなければ扱えない。
 戦山羊は帰敬した衆生へ糧食として下賜され、戦車も今や俵に変えられている。
 また、シヴァとウマーも解放されたものと見られる。

 大黒天女も槌を振ることで祝福を与え、また金剛刀で魔縁悪縁を断つ。
 福徳を授かる際、大黒天への祈願のように、祈願者自らの代償が要求されることはないが、授かった福徳や良縁を粗末にするような行為は、いかなる場合も天女への裏切り行為とみなされ、絶対に許されない。
 大黒天(女)を祀ることが難しいとされる所以である。

 性別を問わず、あらゆる世代に広く信奉されているが、SM愛好者に帰敬者が多いことは特筆すべきことであろうか。
 また、大黒天自身が巨根との説からか、子孫繁栄祈願や子授信仰も多く、性的な悩みからの祈願も多くなされるといわれている。

(尊像出典:『大黒天神経』)