現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE

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儀軌

仏階概観

 梵   名 : マハーカーラ [Mahākāla महाकालः] 摩訶迦羅
 ク ラ ス : 大自在天霊応現
 真   言 : オン マカキャラヤ ソワカ
 種   子 :ma
 三昧耶形: 戦山羊、宝鎚、宝帯、金剛手
 御 利 益 :自らの血肉を対価として「敵」を倒すことにより福徳を得られる絶対的サクリファイス、すなわち自己供物、他敵障碍が必要となる条件付ご利益

尊能諸元

 大自在天(シヴァ)を喰らいしもの。元は大自在天が持つ超意識体のひとつに過ぎなかったが、大自在天が応現を繰り返すことにより授肉、現界を果たして一神となる。
 大自在天と烏摩妃を従属化、大自在天の白牛(ナンディン)を黒い山羊と変え、大自在天の第二嗣神・象鼻天の皮を剥ぎ、隠形身衣と成すほどの力を持つ暴神。
 凍てついた眼と黒髪青髭、青黒雲色の肌を持つ身形極めて大なる暴悪忿怒形と形容される。
 雷電煙火を以て光背と成す。

 天竺は烏尸尼(ウッジャイン)の東、屍林=奢摩奢那(シャマシャナ)と呼ばれる広さ1由旬の森山に住す。
 毘財涅槃塚(ビルスキルニル)を居城とす。

 大黒天は多くの優れた財宝を持つとされ、それらによって衆生に福徳を分け与える一方で、自らは、それら財宝の一部で以て魔を破滅せしむるとされる。
 主なものはすなわち、
・戦山羊(タングリスニル/タングニョーストル):大黒天の戦車を牽く二頭の黒山羊。元は大自在天の神獣である白牛である。二頭は大黒天の糧食を兼ねているが、骨と皮さえ残っていれば、如意宝鎚を振ることで再生させることができる。
・宝鎚(ミョルニル):「打ち砕くもの」という意味をもつ鎚。カーラハンマーとも呼ばれる。仏敵を倒す以外に、物や人を清める作用があり、結婚式や葬式において、大黒天に鎚を振ってもらえるよう祈願するとよいとされる。
 本来は、その重い鎚部分に見合う長い柄がついていたが、シヴァとの戦闘により柄は折られ、短くなったままとなっている。
・宝帯(メギンギョルズ):「力の帯」を意味する、大黒力(カーラメギン)を倍加させるため腰に巻く廻し。手首、上臂にも同様の手力緒(たぢからお)が締められる。宝鎚を振るうために必要。
・金剛手(ヤールングレイプル):「鉄の手袋」を意味する、宝鎚を握るための籠手。
・シャールヴィ/ロスクヴァ:大黒天の従者。シヴァと、その妃ウマーを表すといわれる。

 大黒天より福徳を得るには必ず自らの代償と、「敵を倒す」という条件が課せられる。ここでの「敵」とは、実際の戦闘における敵のみならず、例えば、政敵、商売敵、恋敵、他あらゆる勝負における障碍を意味する。
 古来、代償として実際に多くの血が流されてきたが、近年では、大黒天神像を浴油する(油で拭くことで像が黒く変色する、黒くなれば黒くなるほど大黒力も強化される)沐浴の儀から、日サロ等で日焼けすることが代償功徳として変容してきている。 
 現在ではやや帰敬者が減少した傾向にあるが、日焼けしたチャラ男やギャルは概ね大黒天信奉者といわれている。
 また、90年代、流行した「ガングロ」のメイクをした女子は総じて大黒天の巫女であったと目される。「ヤマンバ」に至っては巫女頭といったところか。

(尊像出典:『大黒天神経』)