現代佛師による図像抄 Wii LOVE BUDDHIST IMAGE

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 梵   名 : カーララートゥリー [Kālarātrī कालरात्रि] 黒夜突伽
 ク ラ ス : 吉唱闇随二量尊、焔摩七母天
 真   言 : ナウマク サンマンダ ボダナン キャララティリ エイ ソワカ
 種   子 : ka
 三昧耶形:黄焔五鈷十王憧
 御 利 益 :驕慢を屍諫し、時として災禍を招き、叡智と懲戒改悟をもたらす絶対的天罰/相対的ご利益
      吉祥天の現われるところの病魔災厄を退ける程度のご利益(相乗鏡破魔)、吉祥天の行き過ぎたご利益を相殺する程度のご利益
      いかなる性欲もドMで応えてくれるが必ずその身が亡びる傾城的ご利益、夜道を無事に帰ることができる程度のご利益

 吉祥天の妹。その意味するところは同一の霊的起源を持ち、なおかつ均一な霊子情報を持つ二個体群である。
 ただし、発生佛理学的には御真影のパターン(三昧耶形配置構造)や印契などは後天的な影響によるものと考えられているため、相似体といえども、その外観の異相は佛理法則的に異なる他の個体と同程度であると考えられている。
 姉たる吉祥天の在るところに現われりて、去るところより共に去る。この辺りは「位相応現説」が有力である。
 『涅槃経』に曰く、「此二人、常に同行して離れず」とある。
 その名の原意は「闇より闇(くら)き末法の夜」であり、本旨は中夜を司り、不幸や災いをもたらす天部神とされる。しかしながら、それは黒闇天を恐れる衆生が作り出した偽伝であり、本来は衆生の驕慢と無知、無明の愚昧を知らせ、中道を守るべく、吉祥天の霊意より生み出された善神である。すなわち、「禍福はあざなえる縄の如し」。迷える衆生をこそ加護する神。黒闇天をおろそかにしないことこそ、吉祥天の功徳を得る最良。

焔摩七母天、閻魔王三后妃の一尊であり、胎蔵曼荼羅会のときのみ、姉の元を離れ、外金剛部院に現われるとされる。
 徳叉迦龍王を父、鬼子母神を母とする。
 肌白磁色にして容貌芒洋顔、一面二臂。右臂は掌を仰げ(ただし胸上に置いてあることが多いため正確な印契を目にできることは少ない、来迎印と目される)、左臂にて黄焔を燈した五鈷憧を持つ。黄焔にて衆生の愚痴を計り、司録司命眼(憧にある単眼)にて衆生の行いを記録する。
 また、大黒天と同じく、不可逆的な時を操る能力を持つされるが、それより得られる功徳の全容は詳らかになっていない。
 相応なる富と繁栄、美と幸運、財産と知恵を授け、常に帰依者に、より良い成果をもたらすとされるため、吉祥天とともに帰敬されるべき尊格。

 その力と意味が知られるようになった昨今は、「カーラさまを迎えられるなら死をも辞さない」という本末転倒な衆生が増えつつある(日本国内で祀っている寺はなく、神社が一社あるのみです)。あくまで御本尊は吉祥天女尊です。でもあなたを手に入れるためなら死ねる。←お前か。

 ※焔摩天と閻魔王の関係は、吉祥天・黒闇天の関係と相似しており、位相応現尊である可能性が高いが、吉祥天・黒闇天のような肉親関係にはなく、より同位性の高い位相性であると考えられる。

(尊像出典:『大日経疏』)