現代イラスト作家による仏図像抄
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@ 石商@ 石商@ 石商

仏階概観

梵   名

ヴァジュラサットヴァ [vajrasattva वज्रसत्त्व]

真  名

散那(Sandah)

ク ラ ス

秘密主

真   言

オン バサラ サトバ アク

種   子

stvaṃ 【サトバン】

三昧耶形

五鈷杵

御 利 益

ひらめき冴える御利益、固く結べばその意志を貫ける御利益、望むままに出世できる御利益

尊能諸元

大日如来の正統な後継。
帝釈天と同じヴァジュラパーニ(雷霆使い、すなわち釈迦如来の警護兼補佐役)でありながら、帝釈天とは異なり、その前身が下級の鬼神であったため、ヴァジュラパーニとなった初期は不遇を託つ。しかしながら、その揺るぎない菩提心が釈迦に認められ、菩薩となることを許される(「金剛手菩薩」時代)。そして、ついには大日如来より直接、秘密王経『大日経』『金剛頂経』を授かり、金剛薩埵(ヴァジュラサットヴァ)の梵名を受けることとなった。
先祖(せんそ)大日如来の入滅後、法身普賢王如来(前期大日如来身)、智剛吼自在相王如来(後期大日如来身)を経て、大日如来となる。
大三千大世界きっての出世仏。

「~菩薩」とつかないゆえ、信奉する人ぞ知るマニアックな御仏ではあるが、古来より成功や出世を望む者には熱心に信奉されてきた存在。

所依経典

『大日経秘密曼荼羅品』

尊像在所

* 坐像-教王護国寺(東寺)講堂(京都府):国宝

@ ヤマモトナオキ@ ヤマモトナオキ@ ヤマモトナオキ

仏階概観

梵   名

アーリヤ・アヴァローキテーシュヴァラ [Āryāvalokiteśvara आर्यावलोकितेश्वर]

真  影

正法妙如来(しょうほうみょうにょらい)

ク ラ ス

七観音

真   言

オン アロリキャ ソワカ

種   子

sa 【サ】

三昧耶形

初割蓮華※1

御 利 益

ありとあらゆる苦役取り除く完全なご利益

尊能諸元

「六観音」は原初の第一尊。
煩悩界六道中第六道、地獄道を摂化する。
一面二臂にして諸仏の原形(げんぎょう)、簡素にして複雑、柔にして剛、その身最大にして八十万一億那由他(なゆた)由旬、最小にして八十万一億阿頼耶(あらや)由旬*2、ここよりすべての菩薩形に至る。
その正体は如来であるが、より多く、より直接的な衆生救済のため、菩薩へと下階(げかい)する。如来の験力による現世利益のため、その利益は絶対である。

注釈

※1 綻び始めた蓮をいう。
※2 那由他は10の60乗、1阿頼耶は10の-22乗

所依経典

『観無量寿経』

尊像在所

* 立像-薬師寺東院堂(奈良県):奈良時代作、国宝
* 立像-不退寺(奈良県):重要文化財
* 立像-勝林寺(京都府)

@ ヤマモトナオキ@ ヤマモトナオキ@ ヤマモトナオキ

仏階概観

梵   名

チンターマニチャクラ [Cintāmaṇicakra चिन्तामणिचक्र]

ク ラ ス

七観音

真   言

オン ハンドマ シンダマニ ジンバラ ウン

種   子

hrīḥ 【キリーク】

三昧耶形

如意宝珠、光輪宝

御 利 益

いかなる願いも叶えるご利益、いかなる煩悩も打ち砕くご利益

尊能諸元

煩悩界六道は第一道、天上道を摂化する。
六臂にして、右側第一臂にて思惟相を示し、右側第二臂は胸前で如意宝珠、右側第三臂は外方に掲げて羂索を持つ。左側第一臂は数珠を持つ手にて触地印を、左側第二臂は開敷蓮華を目前に透かし見、左側第三臂は指先で光輪を支える。人を表す左脚を、仏法の王を表わす右脚で覆うことにより、人の煩悩を抑え、教え諭すことを意味する輪王座位を取る。

人間以上に我侭かつ横暴な天部の神々を教化する使命を持つ。
衆生には"煩悩を抱える者をいかに救うか悩んでおられる"と思われているようだが、願いを請われれば宝珠にて願いを叶え、悩み持つ者は輪宝にて煩悩を打ち砕けば良いため、実のところ深くは考えないたちの夢見がちな少女像。※1 普段から無口で、妄想するのが好き。

注釈

※1 如意輪観音は基本的に世事には興味がない。したがって、衆生の願いも煩悩も、叶えても叶えなくても、打ち消しても打ち消さなくても、どちらでも良いと思っている節がある。

所依経典

『如意輪陀羅尼神呪経』

尊像在所

* 坐像-観心寺(大阪府):平安時代前期作、国宝
* 坐像-室生寺(京都府):重要文化財
* 坐像-岡寺(奈良市):二臂像、重要文化財

@ ヤマモトナオキ@ ヤマモトナオキ@ ヤマモトナオキ

仏階概観

梵   名

サハスラブジャ・アーリヤ・アヴァローキテーシュヴァラ [Sahasrabhuja ārya avalokiteśvara सहस्रभुजार्यावलोकितेश्वर]

ク ラ ス

七観音

真   言

オン バザラ ダラマ キリク

種   子

hrīḥ 【キリーク】

三昧耶形

開敷蓮華
右側臂 錫杖、化仏※1三鈷杵、青蓮華、楊柳※2数珠、月精摩尼(月輪)、如意宝珠、経巻、宝印、蒲桃(ぶどう)、紫蓮華、施無畏手※3宝鏡、梵篋※4独鈷杵、鉞斧、宝箭※5胡瓶※6
左側臂 宝戟、化仏、宝鐸※7白蓮華、払子※8羂索、日精摩尼(日輪)、不退金輪※9宝螺、金環、髑髏杖、紅蓮華、傍牌※10化宮殿※11五色雲、倶尸鉄鉤※12三鈷剣、宝弓、澡瓶※13

印   契

合掌印(両手を胸・腹前にて合掌する印)、宝鉢印(腹前にて五指先を合わせ宝鉢を載せる印)

御 利 益

演算処理能力を大幅に上げられるご利益、マルチタスクに対応できるようになるご利益

尊能諸元

煩悩界六道は第五道、餓鬼道を摂化する。
千臂にして千掌眼(手のひらに眼を持つ)、胸前にて合掌印を、腹前にて禅定印を結ぶ。立位を取る。
千の掌にある慈悲の眼で衆生の苦楽を看破し、千の手で、それらあらゆる衆生を救うとされる。千手千眼観音は、聖観音態※14 が大自在天の霊力「千手(あらゆる破壊と再生をもたらす能力)」と、帝釈天の霊力「千眼(すべてを見通す能力)」を司った菩薩体である。
観音の王たる意味である「蓮華王」とも称される。

注釈

※1 化仏(けぶつ):如来を模した小型の像。法力の拠り代。通称、フィギュア。アクションはしない。
※2 楊柳(りゅうよう):柳の枝。魔を祓う。
※3 施無畏手(せむしゅ):施無畏印を結んだ無持の手。
※4 梵篋(ぼんきょう):経巻の入った箱。
※5 宝箭(ほうせん):破魔矢。左臂の宝弓と対をなす。
※6 胡瓶(こへい):西域(トルキスタン、アフガニスタン、イラン一帯)伝来の瓶。注ぎ口が鳳凰の頭をかたどってある。
※7 宝鐸(ほうたく):小型の梵鐘。魔を祓い、諸仏諸天の意気を上げる。いわゆるエンチャンターマジック。
※8 払子(ほっす):柄の先に房がついた魔を祓う法具。
※9 不退金輪:御仏の威光を示し、魔を滅する破光を放つ法輪。
※10 傍牌(ぼうばい):菩提を得、仏となったことを証明する仏許可証。
※11 化宮殿(けくうでん):御仏の居宮を模したもの。
※12 倶尸鉄鉤(くしてっこう):形状はさまざまだが、概ね"かぎづめ"状の武器。通称、名状しがたいバールのようなもの。
※13 澡瓶(そうびょう):聖水の入った水差し。水が聖なるものであるのは東西を問わず同じ。
※14 もしくは十一面観音態。

所依経典

『千手千眼観世音菩薩広大円満無礙大悲心陀羅尼経』

尊像在所

* 立像-東大寺ミュージアム(奈良県):重要文化財
* 立像-興福寺国宝館(奈良県):国宝